啓蟄|3月3日

曇り空の下、春のきざしを探す

撮影日2025年3月5日、啓蟄。
3月に入り、寒さはずいぶんと和らいできた。
その分、雨の日も増えている。
この時期の雨は、まるで一雨ごとに気温を引き上げてくれているような気がする。

思えば、冬至からもう3ヶ月。
次はいよいよ「春分」というところまで季節は進んできた。

この数ヶ月、私自身も内的な変化が多く、心が外に向きにくい日々が続いていた。
けれど、そんな日々の中でも、季節は確かに前へと歩を進めていた。

田んぼにも変化があった。
機械が入ったのだろう。
荒れていた土地は整えられ、整地され、田植えの準備が着々と進んでいる様子がうかがえる。

撮影は、啓蟄の翌日に行った。
当日は激しい雨だったため、1日遅らせることにした。

……とはいえ、この日も空はどんよりと曇っていた。
それでも、雲の合間から覗く淡い光が、少しずつ春を告げてくれているようだった。

田んぼの緑も、ほんの少しだけ増えてきた気がする。

こうして空を見上げ、土を見つめていると、「春が来る」ということを、肌で感じ始めている自分に気づく。

次の節気は「春分」。
昼と夜がちょうど半分になる日。

「暑さ寒さも彼岸まで」と言われるように、この寒さも、あと少しだろう。
そう思うと、寒さでさえどこか愛おしく感じられる。

あれほど辛く感じていた冬も、終わりが見えると、どこか懐かしくなるものなのだ。

「啓蟄」は、虫たちが冬眠から目覚め、地中から姿を現す頃。

この虫というのは、カエルやヘビなどを指しているらしい。
このあたりでは、なかなかそうした姿を見ることはないけれど、

きっとどこかで、誰かが目を覚ましているのだろう。

そういえば、家の中に小さな虫が現れはじめるのも、この時期からだったように思う。

そんな憂鬱さも見方を変えると愛おしく感じられるような気がするような、しないような……

季節は、ただ静かに巡っていく。
その流れの中で、また少し、わたしも動いていけたらと思います。
それでは、また次の季節でお会いしましょう。

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啓蟄