立夏|5月5日

鳥と花と、はじまりの温度

撮影日2025年5月5日、立夏。
雲ひとつない、澄みわたる朝の空。
まだ暗いうちから聞こえていた鳥の声が、今日も変わらず響いています。

立夏を迎え、夜明けの時間がどんどん早くなってきました。
この日は4時57分の日の出。私は少し早めの4時10分に家を出て、
自転車でいつもの場所へ向かいました。夏至まであと三節。
この先さらに早起きが必要になると思うと、なかなかのハードモードです。

立夏から本格的な夏に入っていくとはいえ、
朝の空気はまだ少しひんやりしていて、
昼間の陽気さに油断して薄着で出てきたことを後悔しました。

でも、この時期の気候は一年で最も過ごしやすい。
心と体が軽くなっていくような、そんな朝です。

明るくなりはじめた空に、うっすらと金星が見え、静けさのなかにバイクや人工音が混じると、夜明けの訪れを実感します。前回は見えなかったツバメも、今日は元気に空を飛んでいて、季節の確かな歩みを感じます。

ふと足元を見ると、つつじがもう満開に。
前回の穀雨はまだ蕾だったのが、今では薄桃色や鮮やかなピンクの花が、道ばたを染めています。おそらく日本各地でも、同じように風景を彩っているのでしょう。子供の頃はつつじの蜜をよく吸っていたなと記憶がよみがえります。

田んぼには機械が入ったような跡もありましたが、まだ田植えの本格的な準備には至っていない様子。水が張られ、稲が植えられるのを、風景がじっと待っているかのようでした。

空はもうかなり明るくなっていますが、太陽の姿は見えません。

鉄橋の向こう、赤く染まった空の一部だけが、それをかすかに教えてくれます。冬至のころは正面に見えていた日の出も、今ではだいぶ背後の位置へ。夏至に向かって、ますます見えない角度へと動いていきます。

それでも、こうして同じ場所に立ち続けていると、自然のサイクルのなかにいることを肌で感じるようになります。

「自分の家から見える太陽の位置が、季節ごとにどう変わっていくのか」
そんなことを意識してみるのも、季節の流れに目を向けるきっかけになるかもしれません。

もちろん毎日は難しくても、こうした二十四節気の節目にだけでも。
記録してみると、時間の流れのリズムに、少しずつ心が寄り添っていく感覚があります。

この活動を始めてから数ヶ月。

ただ朝、日の出前に家を出て、その空気を感じる時間が、いつの間にか愛おしいものになっていました。

花も鳥も、人がいなかった時代から、その季節を知り、生きてきた。
そんな命のリズムに、私も少しだけ寄り添えたような気がしています。

機会があれば、ぜひそんな時間を感じてみてください。

季節は、ただ静かに巡っていく。
その流れの中で、また少し、わたしも動いていけたらと思います。
それでは、また次の季節でお会いしましょう。

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立夏