立秋|8月7日

人生で初めて立秋を感じた朝

撮影日8月8日、立秋の翌日。
立秋の昨日は遠出の予定があったため、撮影は1日遅れの8日になった。
東の空が淡く色づき始めた頃、カメラを持って田んぼへ向かう。

昨日の雨のおかげか、空気はひんやりと澄み、驚くほど涼しい。
昼間の熱気が嘘のようで、肌に触れる風がやさしい。

耳を澄ますと、秋の虫の音が静かに響いていた。
こんなに早い時期から聴けるとは思わなかった。

毎年、立秋といえども茹だるような暑さの中で過ごしてきたけれど、
朝の涼しさの中なら、その訪れをはっきりと感じられるのだと初めて知った。

その音色に混じって、しばらく聞こえなかったカエルの声も戻ってきている。
やはり彼らは真夏の暑さを避けて“夏眠”していたのだろう。
涼しさを待って再び鳴き始めたその声に、「よく頑張ったね」と心の中でつぶやく。


一方で、前回は盛んだったセミの声が今日はまったくない。
寿命の短い成虫たちは、夏を駆け抜けていったのかもしれない。
近くの公園では、遅れて羽化した仲間がまだ昼間に鳴いているけれど、それも長くは続かないだろう。


田んぼでは稲がすくすくと育ち、
かつてよく見かけたサギの姿は少なくなった。
餌となる生き物が減ったのか、伸びた稲が行く手を遮っているのかもしれない。
わずかに見かける白鷺は、田んぼの水口を探しながらゆっくりと移動している。

その姿は、初めて見た頃よりもひとまわり大きくなったように感じられた。

頭上では、ツバメがまだ数羽、田んぼの上を舞っている。
やがて彼らも旅立つ時期が来るのだろう。

とんぼの姿もちらほら見え、もう少しすれば、田んぼ一面を飛び交う景色が広がるはずだ。

1日遅らせたこの朝、
東の空には薄く雲が流れ、その合間から朝日がゆっくりと昇っていった。

その光が稲の葉先にきらめき、
水面にはやわらかな反射が揺れていた。
立秋の朝を、静かに、そして鮮やかに告げていた。


季節は、ただ静かに巡っていく。
その流れの中で、また少し、わたしも動いていけたらと思います。

それでは、また次の季節でお会いしましょう。

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立秋