二十四節気


一年は春夏秋冬の四つの季節に分けられます。
けれど、その間にはもっと繊細で、目には見えにくい移ろいが息づいています。
二十四の言葉で紡がれる暦──二十四節気。
草木の芽吹きや風のにおい、空の光の色。
その一瞬一瞬に寄り添うように、古くから大切にされてきました。
ここでは、その節気に触れて感じた小さな記録も添えています。
どうぞ、季節の声を聴くように、静かにめくってみてください。
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りっしゅん
立春
2月4日頃
春の始まりを意味します。
旧暦の新年に近く、自然界の新しい始まりを象徴する重要な節気です。
りっしゅん
立春
2月4日頃
春の始まりを意味します。
旧暦の新年に近く、自然界の新しい始まりを象徴する重要な節気です。

春のはじまりを告げる日
暦の上ではこの日から春が始まるとされ、二十四節気の最初を飾る節目でもある立春。
まだ空気は冷たく、風も刺すような鋭さを持っていますが、
そのなかにほんのりとしたやわらかさが混じりはじめます。
陽ざしは少しずつ力を取り戻し、朝の光にふと目を細めるような場面が増えていきます。
寒さのなかにも、春が近づいているという確かな気配が感じられる時期です。
立春の前日には「節分」があり、豆まきで邪気を払い、新しい季節を迎える準備を整えます。
そして立春の日には「立春大吉」と書かれたお札を玄関に貼る風習があり、
無病息災や家内安全を願う祈りが、暮らしのなかに今も息づいています。
またこの時期限定で、立春の朝に搾られた日本酒「立春朝搾り」が販売されるなど、
春の訪れを祝う小さな楽しみも各地に広がっています。
自然界でも、小さな目覚めが始まります。
土の中で眠っていた植物がゆっくりと芽を出し、鳥たちのさえずりが少しずつ戻ってくる。
冬の静けさの中にあったものたちが、少しずつ動き出していく兆しが見えてきます。
立春は、農作業の始まりの目安でもあり、自然とともに暮らしてきた人々にとって、
季節の動きを読み取り、次の営みを準備する大切なタイミングでした。
春の訪れは、まだ確かなかたちにはならないけれど、
「始まっていく」という空気がたしかに漂いはじめる頃。
そのわずかな変化を感じとったとき、
わたしたちの内側にもまた、新しい季節へ向かう静かなスイッチが入るのかもしれません。
立春は、寒さのなかに光を見つけるような、
そして心をそっとあたため直したくなるような──そんな、季節の入口です。
Akatsukiが感じた、季節のひとしずくを綴っています。

しょうしょ
小暑
7月7日頃
暑さが本格的になりはじめる頃。
夏の気配がいよいよ濃くなります。
しょうしょ
小暑
7月7日頃
暑さが本格的になりはじめる頃。夏の気配がいよいよ濃くなります。

暑さが本格的になりはじめる頃
小暑は、夏の暑さがじわじわと本格化していく節目。
朝の光が強さを増し、昼の空には入道雲の気配が少しずつ滲み始めます。
気がつけば、肌を刺すような日差しに、うっすらと汗ばむ時間が増えている。
そんな季節の移ろいが、日常のあちこちに顔を出す頃です。
軒先には風鈴が吊るされ、風にゆれるたびに軽やかな音が鳴ります。
道ばたのアスファルトには熱がこもり、草むらではセミたちの声が響きはじめます。
まだ梅雨が明けきらない地域もありますが、雨が降れば一気に空気が洗われ、
晴れ間には強い日差しが大地を照らします。
田畑では作物が青々と育ち、農家の人々の手は収穫や草取りで忙しく動きます。
朝早くから土に触れ、夕暮れには空を見上げてその日の天気を確かめる。
そんな自然と向き合う営みが、今も変わらずこの時期の風景の一部です。
夕方になると、町のどこかから祭囃子の練習音が聞こえてきたり、
子どもたちの歓声が夕空に溶け込んだり。
夏はまだ序章にすぎませんが、心のどこかがそわそわと躍り出すような、
そんな気配が確かに広がっています。
小暑を過ぎれば、次の「大暑」へ。季節はいよいよ夏の盛りへと向かっていきます。
ふとした風のにおいや、空の色、肌に触れる陽ざしに、
夏が少しずつ深まっていくのを感じる頃──。
変わりゆく季節の足音に耳をすませながら、日々の中にある静かな気配を、そっと味わってみたくなる時節です。
Akatsukiが出会った、季節のひとしずくを綴っています。

りっしゅう
立秋
8月7日頃
夏の熱気がやわらぎはじめ、空気にほんのり秋の気配が混じります。
りっしゅう
立秋
8月7日頃
夏の熱気がやわらぎはじめ、空気にほんのり秋の気配が混じります。

秋の気配が、静かに忍び寄る頃
立秋は、暦のうえで秋の始まりとされる節目。
日中はまだ真夏の暑さが続いていても、朝夕の空気がほんの少しやわらぎ、ふとした風に秋の気配を感じることがあります
この頃から、暑さは「残暑」と呼ばれるようになり、季節の言葉も少しずつ移り変わっていきます。
手紙や挨拶文では「暑中お見舞い」から「残暑お見舞い」へ。
日々の言葉づかいにも、季節が一歩進んだことを表す気配がにじみます。
空の高さや雲のかたちに目を留めれば、
夏とは違う落ち着いた色合いが広がりはじめる頃。
ときおり吹く風には、どこか涼やかな気配が混じり、夕暮れの蝉しぐれもどこか物悲しく聞こえてきます。
畑では夏野菜の収穫が終盤を迎え、稲穂は実りの準備を進めています。
草むらではコオロギや鈴虫の声が響きはじめ、季節の移ろいをそっと知らせてくれます。
山の緑も、じわりと深みを帯び、秋の輪郭を描きはじめているようです。
とはいえ、昨今の日本の夏は、暦の節目を軽々と飛び越えていくかのような猛暑続き。
立秋を過ぎてもなお、うだるような暑さが居座り続ける年も珍しくなくなりました。
昔ながらの季節感が少しずつ薄れゆくなかでも、わずかな変化に気づく感性は、今も大切にしていたいものです。
冷たい麦茶から温かいお茶へ、素足から足袋や靴下へと、
暮らしの中の小さな選択が、知らず知らずのうちに季節の移ろいを告げてくれる。
空の色、風のにおい、虫の声──
五感を澄ませて過ごすことで、立秋という節目が、少しだけ身近に感じられてくるはずです。
Akatsukiが感じた、季節のひとしずくを綴っています。

りっとう
立冬
11月7日頃
暦のうえで冬が始まり、冷たい風が季節の輪郭を描きはじめます。
りっとう
立冬
11月7日頃
暦のうえで冬が始まり、冷たい風が季節の輪郭を描きはじめます。

空気が引き締まり、風が冬の気配を連れてくる頃
朝、窓の外に広がる景色が、どこか静まり返って見えるようになります。
木々の葉は少しずつ落ち、地面をカサリと鳴らしながら秋の終わりを告げています。
空気は一段と冷たさを増し、頬にふれる風がすっと鋭くなる──
そんな変化が、冬の始まりを確かに知らせてくれる頃です。
日中にはまだやわらかな日差しが差し込むものの、朝晩の冷え込みは強まり、上着の厚みや重ね着の回数が少しずつ増えていきます。
こたつやストーブを出し始める家庭も増え、暮らしの中に“冬支度”が色濃くなっていきます。
自然の中では、草花が姿をひそめ、虫たちも鳴りを潜め、いのちの営みがゆるやかに静まりはじめます。
紅葉は各地で見ごろを迎え、風に舞う落ち葉が季節の終章を描いています。
農作業も、秋の収穫を終えたのちの手入れや保存、冬野菜の準備へと移り変わります。
田畑も少しずつその表情を変えながら、次の季節を迎える準備を進めていきます。
立冬は、目に見える変化だけでなく、空気の密度や光の角度といった感覚の中にも“冬”がひっそりと宿りはじめる節目です。
急に何かが変わるわけではなく、けれど確かに「次の季節に入った」という輪郭が
暮らしの端々からにじみ出してくる──そんな、しんとした入り口
冷たい風に身をすくめながらも、季節がまた一歩、前へと進んでいくことを感じる。
立冬は、そんな“はじまり”の節目なのです。
Akatsukiが感じた、季節のひとしずくを綴っています。



















