

雨水|2月18日
永遠の千両役者


撮影日2025年2月18日、雨水。
二十四節気が変わるたびに撮影を続けて、これで5つ目の節気を迎えた。
普段は目覚ましなしでも自然に起きられるのだけれど、「明日は撮影の日」と思うと、少しだけ緊張する。
前日は早めに布団に入り、まだ暗い時間にふと目が覚める。
時計を見ると午前2時30分。……さすがに、早すぎた。
もう一度眠ろうとするも、なかなか寝つけない。
アラフィフともなると、こんな朝もあるのだろう。
ベッドの中で、動画を眺めたり、漫画を読んだりして、朝を待った。
ようやく身体を起こし、6時ちょうどに家を出発。
東の空には、すでに暁の色が広がっていた。
立春からわずか2週間なのに、日の出の時間が確実に早まっているのを実感する。
少し急ぎながら自転車を走らせ、いつもの場所へ向かう。

カメラを構えると、空の青がどこまでも突き抜けていた。
完全防寒の装いだったが、足首の2cmだけが無防備で、そこから冷気が容赦なく入り込む。
撮影のために手袋を外すと、指先はたちまち感覚を失うほどの冷たさだった。
「雨水」と聞くと、ほんの少し雨が降っていたほうが雰囲気が出る気もしていたけれど、天気は快晴。
西の空には、満月からわずかに欠けた月が、堂々と佇んでいた。
雲はほとんどなく、日の出までじっと待つことにする。
この時間、いつも思う。
空はすでに明るくなりはじめているのに、太陽が姿を現すまでの時間は、なぜこんなにも長く感じられるのだろう。



——真打ちは、いつだって最後に現れる。
どれだけ待たせても、登場した瞬間にすべてをさらっていく。
太陽とは、まさに永遠の千両役者だ。
圧倒的で人知の及ばない領域。どれだけAIが発展しても手の届かない存在。
自分の存在がちっぽけで、そしてどこまでも気軽なことに気づかせてくれる。
やわらかな光が大地を照らし、長く伸びる影が一日の始まりを告げてくれる。
今日もまた、やるべきことをひとつずつ積み重ねていこうと思う。
季節は、ただ静かに巡っていく。
その流れの中で、また少し、わたしも動いていけたらと思います。
それでは、また次の季節でお会いしましょう。




