

処暑|8月23日
稲の成長とともに、私の季節も移ろっていく


撮影日 8月23日、処暑当日。
午前4時半、アラームの音で目を覚まし、まだ暗い空の下で家を出ました。
名古屋の夏は日中になると37度や38度にもなる厳しい暑さが続いていますが、
この時間帯はまったく別世界。風はやわらかく、半袖短パンでも心地よく過ごせる。
朝の涼しさに包まれ、自然と歩く足取りも軽くなります。

いつもの観察ポイントに到着した頃、既に東の空が赤みを帯び、オレンジ色に染まりはじめていました。
夜から朝へと移り変わるそのわずかな時間だけが持つ、独特の色のグラデーションがとても好きです。
ふと見上げると、頭上には無数のコウモリたち。
夜の名残を惜しむように、楽しげに飛び交っています。
東の空が徐々に明るくなると、一瞬のうちに姿を消し、取り残された数匹だけが西の空へと急ぐ姿が見えました。
そんな夜と朝の引き継ぎが、こんなにも劇的に訪れることに感心させられます。
余談ですが、コウモリは、七十二候にも出てこないのですが、現在は繁殖期のピークを迎えているそうです。主に春から夏にかけて活動するのですが、11月ごろになると冬眠します。
イメージでは、ドラキュラと結びつけられ、吸血鬼のイメージが強いコウモリですが、吸血するのはほんの一部で、私達の周りにいるコウモリは蚊やガなど害虫を食べてくれる「益獣」で、駆除なども禁止されているとてもありがたい動物なのです。
田んぼでは、立秋の頃よりもはっきりと秋の虫の声が響いていました。日中はまだ酷暑ですが、虫の声は季節が着実に進んでいることを告げています。
そして目を見張ったのは稲の成長でした。腰の高さまで伸びた稲は、先端がうっすら色づきはじめているような、黄金色の季節を予感させます。植物の成長の速さと力強さには、いつも驚かされます。ほんの数週間で風景が大きく変わり、そのたびに自然の営みに心が動かされます。稲を眺めながら、「私の季節もまた、静かに移ろっているのだ」と感じます。



そして今日は、おとめ座の新月でもあります。新月のブログも公開していますので、あわせてご覧ください。新しい想いを描くのにふさわしい日、自然の流れと月のリズムが重なり合うタイミングを、感じてみてください。
酷暑のただなかでも、虫の声や稲の色づきといった小さな変化が、秋の入口をそっと知らせてくれる。
季節は、ただ静かに巡っていく。
その流れの中で、また少し、わたしも動いていけたらと思います。
それでは、また次の季節でお会いしましょう。




